紅一点×SnowMan⑦ (ページ4)

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side YOU ページ4

滝沢歌舞伎ZEROの新橋公演が始まった。

ようやく10人揃っての舞台。
公演の合間はドラマの撮影があって。

YouTubeを撮ったり、単独の雑誌撮影も
あったりするから、人生で1番ってくらい忙しい。

もともとソロデビューする予定で、
仕事の予定を組んでいた中で、SnowManに残ると
決意したからSnowManとしての活動もあって。

自分がいっぱいいっぱいだけど、
そうも言ってられないのは、
新加入組の様子を見ているからだ。

「康ちゃん。」

向『んー。どないしたん。』

「ここ、使って。」

向『え？』

公演の合間、楽屋で休んでいた康ちゃんを
無理矢理わたしの膝に寝かせる。

向『いや、何？なんかあったん？』

「寝れてないでしょ。」

元々、気遣いが過ぎる彼のことだ。
SnowMan馴染むために頑張っているのは分かっていた。

だけど、やっぱり東京の雰囲気には慣れないらしくて、
空回りすることも多くて。

日に日に元気の無くなっている様子は私でも分かった。

向『すまん。少しだけ貸して。』

そう言うとすぐに目を閉じて寝息を立て始める。

深『寝た？』

「うん。とりあえず眠ったみたい。」

深『くそう。俺がそこに寝たかった。』

「思ってもないでしょうが。」

深『思ってるって。』

小声で話しながらも、ふっかさんの顔は
心配なのがひしひしと伝わる。

そう、この膝枕もふっかさんが提案してきたものだった。

人一倍周りを見て、積極的に新メンバーと
絡んでいたふっかさん。

康ちゃんの様子に気づいていた彼は、
人肌があると眠れるんよと言っていた
康ちゃんの言葉を思い出したらしい。

「まあ、でも分かるんだよね。私も人肌がある方が眠れるから。」

深『そうだよね。康二はさ、家族も近くにいない環境で大変だと思うから。』

「そうだね。」

彼女もいないって言ってたし、意外と
人見知りな彼のことだ。なかなか頼る人もいないのだろう。

康ちゃんが膝で眠っているので身動きが取れないから、
私は台本を取り出す。