紅一点×SnowMan⑦ (ページ28)

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side YOU ページ28

6月に入ってから、珍しく仕事が少し減った。

牧さんがさすがにやばいと思ったのか、
仕事量を減らしてくれてるっぽい。

歌舞伎が終わってすぐに体調が悪くて病院に行ったら、
重度の貧血と軽い栄養失調になってると言われて。

薬で様子を見ているが、そこまで回復した感じはない。
でも仕事に穴は開けるつもりはないし、
なんとかやっていけてる。

そんな中、最近はこの人に会うことが増えた。

松『ちゃんと薬飲んだ？』

「飲んだって。もう、北斗お母さんみたい。」

松『そりゃあね、あんだけ痩せ細って、しかも診断書見たら言いたくもなりますよ？』

北斗があの日心配してくれて、次の日には
病院に行くように強く言われたから、病院に行った。

そしたら倒れる寸前ですよなんて言われたことを
報告したら、それから時間があるときはご飯を
作ってくれるようになって。

いろいろな話もしていたらいつの間にか
呼び捨てにするくらい仲良くなった。

彼の独特な雰囲気はなんだか落ち着くのよね。

「でもさ、北斗のおかげでだいぶ体調も良くなったし、体重も増えたよ。」

『それならほんと良かったよ。』

「仕事も少しだけ落ち着いたから。病院行く前がピークに忙しかったし、メンタルもえぐられていたからね。ほんとありがとう。」

『いーえ。』

普段、例えば康ちゃんやなべくん、風磨が
遊びに来たときは私自身がもてなすことが多いけど、
北斗は逆だ。

私がもてなされてることが多い。

今だってそうだ。
目の前に紅茶を置いてくれる。

『冷たい方が良かった？』

「ううん。内臓冷やさないように温かいの飲むようにしてる。」

『そう。』

「ありがとね。」

それから2人でテレビを見る。
特に見たいものはないから、
適当にやっているバラエティをザッピングする。

「なんか見る？」

『んー。特にないよ。』

なんとなく面白そうなバラエティをかける。
北斗は適度な距離を保って隣に座っている。

だけども、こうして彼氏と別れたばかりで、
精神的にまいっていた時にそばにいてくれた彼に
もっと頼りたくなった。