紅一点×SnowMan⑦ (ページ15)

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side YOU ページ15

向『なあ。風磨くんと別れたって噂があんねんけど、ほんまなん？』

ああ。いよいよか。
自分の中では避けていたことだったけど、
やはりというか。ぬかりないというか。

「ほんと、だよ。」

私がそう言うとみんな驚いている。

渡『は？なんで？』

阿『だってあんなに仲良かったじゃん。』

「ごめん。この話をするつもりはないんだ。」

みんなが聞きたいって顔をしているけど、
気づかないふりをして雅のところへ行く。

「今日もよろしくね、雅。」

雅『私はあなたが言うまで聞かないわよ。』

「それ最高だね。」

彼の気遣いに感謝しながらも、周りの視線は痛い。
きっとみんななんで別れたのだろうと思ってる。

そんなの、私が1番知りたいよ。
別れたくなんかなかった。

けど、2人の関係に終止符を打ったのも私だ。

それからみんな大人だし、聞いてくることはない。
ひょっとしたらなべくんあたりは
風磨に聞くかもしれないけどね。

残り少ない公演をこなしていく。
正直、心はぽっかりと穴の空いた状態だし、
なんとか精神を保っているというのが正解だった。

仕事があるから、他のことを考えずに済む。
もし、時間があったら私はきっと誰かに頼ってしまうから。

公演が終わって、牧さんの車に乗り込む。
今日は雅が来れないから、ドラマ用に
メイクをしてもらった状態で撮影現場に向かっていった。

「牧さんでしょ。」

牧『なんのことでしょうか。』

「噂を広めたの。」

この人は秀明くんの息のかかった人間だ。
私の言うことよりも、秀明くんに言われたことを
最優先する人だ。

、、、たとえ、私が傷ついたとしても。

牧『、、、違いますよ。』

微妙な間がYESと言ってるようなものなんだよね。
きっと秀明くんは私と風磨が付き合っていたことを
無かったことにしようとしている。

だからわざわざ牧さんに依頼して、
こんなしょうもないことをしてるんだ。