ep.19 ページ19
Aside
私が高校3年生になり、秋頃だった。
いつものように花屋のバイトを終えた私の目の前に
康二君が現れた。
たまたま通りかかったと言って、帰り道
送ってくれる事になった。
なんだかいつもと雰囲気が違うような気がしたが
気のせいかな？と思いつつスルーしてると
康)もうAと出会って1年経ったんやな…早いな。
「何いきなり‼︎」
康)出会った時はあんなに心閉ざしてて笑顔もなかなか見せてくれへんかったのに…変わったな、Aは。
「それは康二君や明美さん達のおかげであって…」
康)まぁ俺とおったら楽しいからな♪
「もー、自分からそんな事言う人なかなかいないよ！」
康)なんでや、俺は思ったことはちゃんと口にするタイプの人間やからな〜。花言葉でもええからちゃんと伝える時に伝えとかんと…
「やっぱり変‼︎何かあった？」
康)実は…親父が倒れて急遽やけど親父がやってた華道家の仕事俺が代役でやる事になってん。
「お父さん大丈夫なの？」
康)あぁ、元々心臓が弱かったからな。これからもあんまり無理させられへんってなって、俺がやるって決めたんや。
まだまだ全然あかんやろうし、うまくいかへんやろうけど…
「康二君なら大丈夫だよ、あの時のタンポポみたいに絶対何度でも立ち上がれる…私はそう信じてるから」
康)やっぱりAは強くなったな。ﾆｺｯ
「いつ行くの？」
康)…明日。
「明日？！急すぎるよ、私何も準備してないし…」
康)ええねんそんな事、俺は変わらずAが花を好きでいてくれたら…。
「嫌いになるわけないじゃん」
康)そっか♪ じゃあこれは俺からAへのプレゼント！
そう言って渡されたのは花びらがまだらになっている薔薇の
花束だった。
「これって？」
康)俺からAにや‼︎その…俺の気持ちやから///
「ありがとう！」ﾆｺｯ
康)ほら家着いたで、風邪ひくからはよ入れ!
「最後までお父さんみたいな事いってるー！」
康)誰がお父さんやねん‼︎…ほなA、元気でな。
「康二君も元気で…」
何度も振り返りながら何度も全力で手を振ってる康二君が消えるまで私はその背中を見つめていた。
康)Aのやつ、まだらの薔薇の花言葉知らんやろうな。
“貴方を忘れない“
康)俺っていつもなんでこういう時になると言葉で言えへんのやろ…まいったな///
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほまれ | 作成日時：2024年3月20日 16時
