Flordy✲*ﾟ (ページ17)

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ep.17 ページ17

Aside

康二君との突然の再会にびっくりしながら
近所のカフェに来たけど…

「いつ帰ってきたの？」

康)昨日の夜かな？時差ぼけでえらい寝てしもてて気付いたら次の日の夜でこの時間ってわけ。

ほんでAに会わなとおもて今ここに俺がおるっちゅーわけやな♪

康二君は昔から何もかも突然だった。
突然思い立ったら行動して、私はどれだけ振り回されたことだろうか。

康)でも花屋は続けてるみたいやな♪

「え？」

康)匂いと手見たら分かるから。

「康二君も、華道家として大活躍だね‼︎」

康)まぁーそりゃー親父の後継者やからな。しっかりせんと…。

そう、康二君はこう見えて華道家の家元に生まれて
次世代の後継者なのだ。

「アメリカはどうだった？」

康)最初はなめられてたけど、俺の腕前みたら、あいつら黙りよってな♪

こんなにはしゃいでてうるさい彼だけど
花を生けるときはとても静かで、真剣な顔になる。
そのギャップにやられている女性も多く、ファンも多いんだとか…。

康)明美さんの店でまだ働いてるんか？

「うん、あのお店が大好きだから…」ﾆｺｯ

康)そうか、明美さんによくしてもらってるんやな…。
懐かしいな、Aに初めて明美さんの店に連れてった日。

私が康二君と出会ったのは高校2年生の不良達と連んでいた時だった。

夏休みいつものように皆で河川敷で遊んだ後の帰り道、私がジッと見つめた先にはタンポポが咲いていた。

私が見つめていると、不良の一人がその花を踏んづけた。

『こんな花見て、浸るとかありえないっしょ』っと告げて。

別れた後、私は河川敷に戻り踏まれたタンポポの元へと駆け寄った。

「ごめんなさい…私のせいで」

お嬢ちゃん心配せんでええで！
そのタンポポなら大丈夫やから。

関西弁？タンポポが？
そんなわけないと思いながら後ろを向くと一人の男性が踏まれたタンポポを見て私の隣に座った。

そう、これが康二君との出会い。

「大丈夫じゃないですよ…踏まれたんですから」

康)実はなタンポポは冬の間、雪に踏まれ、人に踏まれて、葉っぱは守ろうとして、平べったくなって春の暖かさと共に葉っぱを思いっきり広げて、茎をぐっと伸ばして花を咲かすねん‼︎

「知らなかった…」

康)何度も踏まれても絶対咲いてやるっていう、強い意思がタンポポにはあるからな…。ﾆｺｯ

「強い意思…凄いですね」

康)花も生きてるからな、俺らと一緒で。