𝟐𝟑 ページ23
「照は、かわいい後輩できて嬉しいんだよ、こーじやめめも含めてさ」
「それは阿部もだろ？」
「もちろん、俺はAちゃんもこーじもめめも3人まとめて可愛がりたいもん」
「…ほんとにかわいがるつもりなんですか？」
「あべちゃんて案外おっかないからなあ」
「こーじ」
「ﾋｨｯ…ごめんてあべちゃん〜」
こんな風に談笑しながら友達や先輩とお昼食べるなんて、想像もしてなかったなあ、なんて。
「ひか……いわもと先輩、いちごいります？」
「デザートの？いいの？……てか、照でいいのに」
「いや…でも……」
実際、岩本先輩とは1番気が合うんじゃないかってぐらい仲良くなったし、岩本先輩も照て呼んでいいよ、なんて言うから、照先輩、て呼んでいたけれど、目黒くんが許さなかった。
俺のことは苗字なのに岩本くんだけずるいなんて拗ねてしまうものだから、なんだか2人に申し訳なくなって途中でやめてしまったのだ。
「Aちゃんはめめがうるさいもんなー」
「……2人って付き合ってないんだよね？こーじやめめから話聞いてると付き合ってるかのように思えてくるんだけど」
あべちゃん先輩がこそっと聞いてくる。
ちなみにあべちゃん先輩はあだ名だけど、苗字由来のあだ名だから目黒くん的にはOKらしい。難しい。
「わたしなんかが目黒くんと付き合う訳ないです…！」
その言葉にあべちゃん先輩も岩本先輩も目を見開いた。
「……Aちゃんてめめのこと嫌いなの？」
「えっいや、そんなことは…！」
わたしが依存してしまいそうで怖いだけだ。全然嫌いなんかじゃないし、むしろ好ましい。好きにならないように気をつけようとするぐらいには。
「……なんか目黒可哀想になってきたかも、確かにとんでもなく重いけどさ」
「ええっ？なに？どういうことですか？」
「てる兄も重いやろ」
「こーじうるさいってば」
「ガーン……」
また向井くんがしょげはじめた。
「ふーん、でも、めめと付き合ってないならさ、こーじとか俺とか阿部でもいんじゃねーの」
「？」
「やっぱ阿部の言う通り鈍感だわ、だからさ…」
「岩本くんストップ」
「め、ぐろ、くん…」
ガラッとドアが開いたと思えば目黒くんの登場
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作者名：もりの | 作成日時：2024年4月4日 21時
