箱庭の夢【黒】 (ページ2)

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目黒蓮くんは、入学当初からかなりの人気者だった。
見た目もとてもかっこよくて、勉強は苦手らしいけどサッカーが上手なんだとか。いつも色んな友達と一緒にいて、楽しそうで。羨ましいなあ、なんて彼のことをよく見つめていた。とても遠くて、嫉妬すらできないような出来た人、だったはずなのに

「名前、なんていうの？」

なんでこんなに話しかけてくるんだ…！！

「えっと、その…名乗るほどの者ではなくて…」

「？よくわからないけど、教えてくれないの？」

「す、すみません、わたしごときがわがままをいって…！Aです！」

こてん、と首を傾げた目黒くんになんだか女子としても負けてる？と思いながら答える。

「いや、さっきから言ってるじゃん。名前教えてって。苗字ぐらい知ってるよ？Aさん」

「へっ」

あの人気者の目黒くんに認識されてたのか…いや、でもなんで名前……混乱していると目黒くんが口を開く。

「友達なんだから名前で呼びたいでしょ」

「と、ともだちっ？！ですか？！」

認識されてると驚いていたところに急なぶっこみ。
友達認定までされてるの？

「だって話したじゃん。俺、また君の絵も見たいし話もしたいし、仲良くなりたいと思ってるんだけど」

ずるい、その顔は、ずるすぎます。目黒くん

「……Aです」

「A！教えてくれてありがと」

くしゃっと笑う目黒くんに少しきゅんとしたのは内緒。