Time*7 ページ9
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｢手繋いで登校とかさ､もう付き合ってるじゃん｡｣
｢付き合ってないよ｡｣
｢ほんとに？あれで付き合ってないとか嘘だよ？｣
｢ほんとだって｡｣
結局あれから電車に乗っても手が離れることはなくて､学校に着くまでずっと繋いだままだった。
学校の最寄り駅に着く頃にはさすがに恥ずかしくなって離そうとしたけど､蓮が離してくれなかった。
寒くなるからって､それだけの理由で。
｢じゃあ何､幼なじみは手繋いで登校するのが普通なの？｣
｢それは違うけど…｣
朝礼の時間まで琴葉と話す。
その話題はいつもと同じ､蓮のこと。
なんと偶然琴葉に登校してるところを見られていて､教室に入ってからずっとこの話題。
｢ぜっったい両想いだから､Aと目黒くん｡｣
琴葉はそう言ってくれるけど､ほんとにそうなのかな。
蓮が私を好きなんて､そんな奇跡みたいなことあってもいいのかな。
・
・
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｢ごめん､A｡今日も1時間ぐらい待っててくれる？｣
放課後。
終礼が終わってすぐに私のところに来た蓮がそう言った。
｢え､今日って部活ないでしょ？｣
｢その…英語の…｣
｢英語の？｣
｢今日あったじゃん｡｣
｢あ､もしかして補習？｣
｢はい､そうです､ごめんなさい｡｣
そういえば今日の英語の時間にあった小テスト､点数悪い人は補習だって先生が言ってたな。
申し訳なさそうに謝る表情がかわいくて､なんでも聞いてあげたくなってしまう。
蓮のこの顔に弱いんだよな､私。
こうやって頼まれると断れないんだよ。
｢ふふ､いいよ｡補習終わるまで待ってるから｡｣
｢ほんと？やった､これで補習頑張れるわ｡｣
私がいいよって答えると､途端に笑顔になる。
｢図書館で待ってるから､前みたいに終わったら来てくれる？｣
｢うん｡分かった｡｣
｢じゃあまたあとで｡補習頑張ってね｡｣
｢あ､A！｣
図書館に向かおうとしたら､呼び止められる。
｢今日も…阿部先生と勉強するの？｣
｢え？｣
なんで阿部先生？
｢いや､なんでもない｡気にしないで｡｣
蓮がなんで阿部先生の名前を出したのか､私にはその理由が分からなかった｡
もしかして､この前のことを気にしてるの？
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作者名：夏目 | 作成日時：2024年4月5日 19時
