Time*4 ページ6
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｢うわ､すごい｡あんなに分からなかった問題が分かるようになりました！先生って教えるのも上手いんですね｡｣
｢そう？｣
｢明日のテスト､今ならめっちゃ自信あります！ほんと先生のおかげです！｣
｢それは良かった｡俺でよかったらいつでも教えるから､また声かけてね｡俺一応副担だし｡｣
｢はい！でも先生人気だから難しいかもですね｡｣
阿部先生は私のクラス以外の生徒からも人気がある。
それが理由かは分からないけど､放課後に先生をあまり見かけたことがない。
ほんとに今日は運が良かっただけだと思う。
｢生徒のためなら時間いくらでも作るから｡｣
｢ふふ､ありがとうございます｡｣
｢A｡｣
｢あ､蓮｡｣
｢お､目黒じゃん｡｣
阿部先生にお礼を言っていると､後ろから蓮の声。
もう蓮が部活を終えてきたなんて､時間が経つのがあっという間に感じる。
｢もう部活終わったの？｣
｢うん｡待たせてごめん､ちょっと遅れた｡｣
｢全然いいよ｡さっきまで先生に勉強教えてもらってたから｡｣
そう言うと､私の手元のノートを覗き込む。
急に近付く距離に私の心臓が再び高鳴る。
でもこれはさっきとは違う。
阿部先生の時とは違って､もっとドキドキしてる。
こんな些細なことで､自分が蓮を好きだってまた実感する。
｢阿部先生ってことは数学？…あれ､でもこれ化学じゃん｡
先生って何でもできるんすね｡完璧じゃないですか｡｣
｢そんな褒めても成績上げないよ？｣
｢別に求めてないですよ｡｣
なんか阿部先生と蓮が話してるところを見るのって新鮮かも。
はたから見たら2人ともかっこよくて目の保養だな。
｢瀬野さん数学得意だし､目黒も教えてもらえよ｡｣
｢っえ､｣
2人の様子を見ながらそんなことを考えていると､阿部先生からまさかの一言｡
思わず変な声で反応してしまう。
｢いや､私そこまで得意じゃ…｣
｢はい｡いつも教えてもらってるので｡｣
否定しようと思ったら､少し食い気味に蓮がそう答えた。
｢ふーん…目黒がいつも上手いこと赤点取らないのは瀬野さんのおかげなのか｡｣
阿部先生が意味深な表情で私と蓮を交互に見る。
気のせいかもしれないけどなんかニヤニヤしてるし。
これ絶対色んな意味で勘違いされてるやつじゃん。
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作者名：夏目 | 作成日時：2024年4月5日 19時
