Time*2 ページ4
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｢おはよ､A｡｣
｢おはよう｡｣
教室に入ると､親友の琴葉が話しかけてきた。
琴葉だけは唯一､私が蓮を好きなことを知ってる。
｢今日も一緒に登校してたんじゃん｡｣
｢まぁ特に何も起きないけどね｡｣
｢目黒くんはまだAが阿部先生好きだと思ってるの？｣
｢多分…？だって何も聞かれないし｡蓮にとっては私が誰を好きかなんてどうでもいいんだよ｡｣
｢そうなのかな〜…私はそんなことない気するけど｡｣
｢ふふ､いいよ冗談言わなくて｡｣
｢冗談じゃないんだけどなぁ…｣
なんて､最後に言った琴葉の言葉は私には届かなかった。
・
・
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｢はーい､朝礼の時間だからみんな席ついて〜｡｣
｢え､なんで阿部ちゃんなの？｣
｢加藤先生今日は休み？｣
朝礼の時間になって教室に入ってきたのは､副担任の阿部先生だった｡
朝から阿部先生の顔を見ることはないから少し新鮮。
阿部先生はうちの学校の中でも人気があって､特に女子からの人気が凄まじい。
頭も良くて､かっこいい。
おまけにかわいい一面もある。
モテる要素の詰め合わせみたいな人。
そんな先生が副担任なんて､私は結構ついてると思う。
｢加藤先生は用事があって来られないので､今日の朝礼は僕が担当します｡｣
｢阿部ちゃん今日もかっこいいね！｣
｢阿部ちゃんかわいい〜！｣
｢はいはい､静かに｡｣
クラスの女子から色々言われても全部軽く聞き流す。
阿部先生のそういうところ､私は結構好きだな。
｢…！｣
そんなことを考えていたら､不意に目が合った。
驚いて固まると､そんな私を見て阿部先生が少し微笑んだ。
その表情を見て思わず私も頬が緩む。
こんなの､ずるいよ。
好きになっちゃうよ。
多分今の相手が私じゃなかったら､みんな阿部先生に恋してると思う。
照れくさくなって視線を戻すと､次は蓮と目が合った｡
蓮と目が合うってことは､蓮が後ろを向いているってこと｡
なに？って口パクで言うと､べつにって口パクで返された。
気のせいかもしれないけど､どこか不機嫌そう。
今の一瞬で私何かした？
今日は月曜日だし､蓮は部活があるから一緒に帰らない。
2人きりで話せるのは多分明日の朝になる。
その時気まずくなったりしないといいけど…。
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作者名：夏目 | 作成日時：2024年4月5日 19時
